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白鳥の歌 ~ノロ・ニブ・ドジから巧速を目指す~

マイペース過ぎると評価された元知的ブルーワーカーが、 巧速を目指すトライ&エラーを綴るライフハック集+時々随筆。

幸川玲巳『1日5分のお姫様ごっこ』が構造的に素晴らしい点

読書感想・内容まとめ ライフハック

この記事の続きです。

swngsng.hatenablog.com

詳しくは次回に!となっていた、「慰め役」が架空の恋人ではない方が良い理由についてです。
ですが、ついでに本の紹介記事にしてしまいます。

前回記事のまとめ

  1. 自分が怒りに飲まれそうな時は、自分の書いた慰めの言葉を読み返す。
  2. その言葉は、平静な時に書きためておいたもの。
  3. 経験上、自分が自分を慰める内容ではなく、架空の誰かになりきって、その人が自分を慰める内容にする方が上手くいく。
  4. この架空の誰か=「慰め役」は、架空の保護者でも友人でも神様でもいいが、架空の恋人は避けた方がいいかもしれない。

4がなぜかといいますと、幸川玲巳『1日5分のお姫様ごっこ』の影響です。
では、お姫様ごっことは何なのか? というところを今回の記事にし、よってメインは本の紹介になります。

「お姫様ごっこ」とは?

 この本は、ロールプレイングを用いた、3カ月かけて行う、自己開発プログラムの紹介本です。
ロールプレイングは、「お姫様」と「執事」、そして「王子様」になりきることによって進行しますので、「お姫様ごっこ」と命名されています

このロールプレイングは、次の3つの柱から成り立っています。

  1. 自分を「お姫様」とし、そのお世話をする「執事」とのロールプレイングを行うことで、セルフケアをする。
  2. 「王子様」とのやりとりを想像し、他者と愛情に満ちたやり取りをする練習とする。
  3. 自分を「お姫様」として、自身や誰かに小さな贈り物をすることを習慣にする。

具体的には、

  • 起床時と就寝前に「執事」として「姫」=自分の要望を叶え、その記録を取る。
  • 「王子様」=愛する人と行きたい場所に一人で行ってみる。やり取りを想像し、詳しく記述する。
  • 1日の内に、自分を含めた誰かに贈り物をし、その記録を取る。

等々の行動をします。

この時、「執事」は自分の中に住まう架空の誰かであって、それ以上にはなりませんが、「王子様」は後に現実に存在する誰かとなることを期待されています
要するに、将来的には理想のパートナーと出会えること、あるいは現在のパートナーがより自分にとっての理想に近づくことを期待して、「王子様」とのやり取りを行っています。
この部分だけを見て、
「くだらない、結局女の願望を満たすためだけのままごとだろ」
と判断して切り捨ててしまうのは、とてももったいないです。

私が、前回の記事で「慰め役」は架空の恋人ではない方がいいかもしれない、との考えを述べたのは、この、「執事」と「王子様」との切り分けに影響されてのことです。

お姫様ごっこの素晴らしい点は、セルフケアと他者とのやり取りの切り分け

私が、この手法が画期的で素晴らしいと思うのは、「執事」と「王子様」とを明確に分けたところです。
本文中にはこんな説明があります。

「1か月目は、長年、見過ごしてきたインナーチャイルド(現在の自分に影響を与える子供のころの記憶や感情)の存在を認め、欲求を満たすことを目的に、お姫様ごっこを始めます。
インナーチャイルドの存在を認め、その声にこたえていくことで、精神的に安定してきます」


「1か月目のプロセスを、きちんと経ていないと、(中略)愛の表現を素直に受け取れなかったり、依存関係に陥ってしまうこととなりますので、絶対に、1か月目の「執事がお姫様のケアを徹底的にやる」という作業は飛び越えないようにしてください」 

つまり、このような線引きがあるのです。

  • 「執事」は、自分が作り出す、セルフケアのための架空の存在自分の中の不平や不満は、「執事」を使って自分で解消できるようにする。
  • 反面、現実の相手に反映されることを望んでいる「王子様」には、依存も愛情の拒絶もしてはいけない。不平不満を解消するための相手とはせずに、愛情を与え合う相手とする。

これって、とても素晴らしいことだと思いませんか。
セルフケアと他者との関わり合いとについて、これほど上手く、分かり易く切り分けて、どちらも成功するように成立させているメソッドって、すごいと思います。
また、お世話役を――この本を読む日本語圏の女性の大多数にとって、余り現実的でない・かつ適当なイメージだけはし易いだろうと思われる――「執事」としたのも、上手い表現だと思いました。
タイトルや手法を見ると、一見お姫様願望のある女性のためだけのプログラムのようにも思えます。
しかし、それだけではないことは、本文中や書評にも十分説明が出てきます。
(また、お姫様になりきるのは無理だからと、「若様と爺」とか、「姐さんと若い衆」とかでやっている人達もいるらしく、ちょっと笑ってしまいました。
ロールプレイングが上手く出来るなら、自分のやり易いキャラクターでいいんでしょうね。)

守護霊様が云々と、あからさまにスピリチュアルな記述のある本ですので、人を選びますが、メソッド自体は万人にお勧めです。
人との関わり合いや自分の精神状態について改善したいと思っている人には、是非一読し、良ければ実践してみてほしい内容です。
……とは言え、私は2ヶ月目の「王子様」登場以降からどうにもやり難くなってしまって、途中で放置してしまった根性の無い読者なのですが。
1ヶ月目だけでも効果があることは実感しているので、最近また再開しています。

1日5分のお姫様ごっこ

1日5分のお姫様ごっこ