白鳥の歌 ~ノロ・ニブ・ドジから巧速を目指す~

マイペース過ぎると評価された元知的ブルーワーカーが、 巧速を目指すトライ&エラーを綴るライフハック集+時々随筆。

自分を傷付けられた怒りに飲まれそうな時に:慰撫の言葉を書きためておく

私は「大人しそう」「穏やかそう」「理屈っぽい」と言われることがよくありますが、その実は無駄に激情家です。
苦痛を感じた記憶、理不尽な目に遭わされた記憶をずっと持っていて、何かの折にそれが思い出されて、どうしようもなくなります。
翌日まで目が腫れる位に涙が止まらない時もあれば、ポーカーフェイスに収められない程の怒りを覚える時もありますし、持てる理論を総動員して自分の記憶の中の敵を脳内で延々と詰っている時もあります。

しかし、そんなことに時間と感情のエネルギーを割いていては、日々の生活を豊かに能率的に送れません。

 ぶり返してくる怒りや悲しみをどうするかについては、何冊か本も読みました。
それらの本に直接は載っていない私オリジナルの手法で、今現在最も有効なのは、「未来の自分、傷ついて悲しんで怒っている自分に、慰撫の言葉を書いておくこと」です。

将来の自分を慰撫する文章を作っておく

私が苦しむ記憶は、大抵数パターンで、似たような内容です。
自分が将来苦しむ内容もほぼ分かっているし、そんな時にどう思い・感じるのかも分かっています。
よって、コンディションが良くて気分が落ち着いている時に、苦しんでいる自分が言って欲しい言葉を書き貯めておきます。

自分が苦しんでいる時、怒りや悲しみに飲まれてどうしようもなくなっている時に、自分の望む言葉や触れ合いをくれる人なんて居ません。
誰も私を引っ張り上げてなんてくれません。
他人に期待をしてはいけません。
自分が一番欲しい慰めの言葉、慰撫の行動は、自分が一番分かっているんです。
だから自分で作っておいて、辛くなったらそれを使うのです。

具体的には、ノートや電子データに、誰かから言ってほしい言葉や台詞や動作を書いておきます。
と言っても、「私」の立場から書く文章では、憎んでいる相手へのきつい感情が生々し過ぎたり、逆に自分を卑下する内容になってしまう可能性があります。
それを防ぐために、「慰め役」を考えて、その存在になりきって書くと上手くいきます。
慰め役は、父母や祖父母の美しい思い出だけを抽出した存在でもいいし、架空のお兄さんやお姉さんや先生でもいいし、可愛い弟や妹でも、「神様」でも構いません。

(以前は架空の(まだ見ぬ)恋人でもいいと思っていましたが、とある理由から避けた方がいいかもしれないと思うようになりました。
 理由は別の記事で書きますね。
 この記事の最後にも少しだけ出ています。)

慰撫の言葉は、自分の欲しい言葉

例えば、自分一人で堂々巡りの考え事をしていると、私の感情は次のように推移します。

  1. 私はいつも努力してきた、苦しんできた。
  2. それなのにあいつは私を裏切った。
  3. すごく辛い、どうして私ばっかりがこんな風に苦しまなくちゃいけないの。
  4. それは裏切りが罪で、私が被害者だからだ。裏切り者のあいつには生きる価値がないのだから、死ぬべきだ。

これは余りにもきつい感情です。
ですので、後半……つまり呪詛に辿り着く前、前半の段階で止まるようなフォローを、慰め役から入れてもらいます。

「君はいつもとても努力してきたね。
 苦しかったのに、一人でよく頑張ってきたね。
 私は常に君を愛して、誠実に向き合うよ。
 ずっと傍に居て、君が苦しい時、悲しい時には、分かち合って支えるよ。」

これは上述の2から、3に移行しないための慰めの言葉です。
私には満たされていない欲求があって、そのために怒りを覚えるのですから、その欲求を汲んで満たす言葉を書き留めておきます。
「苦しんでいるのが自分ばかりと思っている時点で違うんじゃないの」
「そもそも、いつも苦しいばかりじゃなかったろうし、苦しいにしても自分の判断の結果だろう」
などと、自分の怒りの内容を冷静に諭す内容は書かないでおきます。
理屈では感情は収まらないからです。
どれだけ都合が良くても構わないので、とにかく自分の欲求を解消出来る言葉を夢想します。
自分の欲しいものを上手く汲み取る内容を書いておくことが肝になります。

慰め役は大勢いてもいい

勿論、どんな欲求があるかでどんな言葉が欲しいかが変わりますので、それを口にするのに適切な慰め役も、自然と変わってくるでしょう。
慰め役は一人に固定することはありません。
必要な数だけ、必要な仮想人物を設定しましょう。

私は子供のころからごっこ遊びが大好きで、ファンタジー色のある物語が大好きな文学少女でしたので、なりきり遊び(ロールプレイング)も得意です。
「慰め役」は数人――正確には人じゃなくて動物もいるから、数頭?――いて、慰撫する内容によって使い分けています。
擬似的な人格に自分を慰めさせるというのは、ちょっと空しく思えますが、私にはすごく効果があるんです。
自分の思考回路ではない、他人の考えや行動をシミュレーションすることで冷静になれたり、視点が変わったりする効果もあるのでしょうね。

この手法は、以前に書いたこの手法の類似だと思っています。

swngsng.hatenablog.com

どうしてもやり方が分からなかったら、
メナードの薬用ビューネ君を思い出してもらえれば、ほぼそんなものだと思います(笑)。

www.youtube.com

因みに私自身が藤木直人さんが好きとかそういう訳ではないです……。
ここまで「異性」「恋人」を強調する必要は全くありませんが、慰め役の出てくるタイミングやその言動としてはパーフェクトだと思います。

参考図書

怒りを収める手法で参考になったものとしては、

新版 人生を変える一番シンプルな方法―セドナメソッド

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今すぐ人生を変える簡単な6つの方法

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が、具体的手法として有効でした。

「しつこい怒りが消えてなくなる本」は、さっぱりでした。

「しつこい怒り」が消えてなくなる本

「しつこい怒り」が消えてなくなる本

 

 また、この手法に極めて近いもので、「慰め役」を突き詰めた方法は、

1日5分のお姫様ごっこ

1日5分のお姫様ごっこ

 

 に出ています。
私の言う「慰め役」は、ここでは「執事」とされているものに近いでしょう。
と言うか、ほぼそのままかもしれません。

さてここに、前述の、「慰め役には恋人を入れない方がいいかもしれない」とした理由があります。
お姫様ごっこでは、「慰め役」は「執事」、恋人=パートナーは「王子様」と、明確に役割分担があります。
自分をケアするのは、執事。
恋愛パートナーは王子様。
この二つは全く別の存在で、混ぜてはいけないそうです。
その理由がとても明確で、説得力のあるものだったから、私も「慰め役」には恋人成分控え目の方がいいかもしれないと考えるようになったのです。
理由は、また別の記事に書きますね。
先に「お姫様ごっこ」をお読みの方は、理由が分かっていますでしょう。
勿体ぶる必要はないのですが、1記事が長くなってしまうので分けますね。